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[ⓓインタビュー] "私は、私のことが楽しみ"…パク・ウンビン、演技の原動力

 

「私は、私のことが楽しみです」 (以下パク・ウンビン)

 

もう28年目の女優だ。それでもパク・ウンビンは、演技するパク・ウンビンのことが気になる。それは自らを前進させる原動力でもあった。

 

「まだ私の限界を見ていないという期待感があります。『私だったら何とかできるのではないか』という自己肯定感が私を前に進ませてくれると思います」

 

それで努力する。『ブラームスは好きですか?』では専攻生に準ずるバイオリンの実力を披露した。『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』では自閉スペクトラムを持った天才弁護士として挑戦した。

 

今回は「ディーバ」だ。今年1月から6ヶ月間、一日3時間ずつ43回のボーカルレッスンを受けた。結果は成功した。清らかな音色に気持ちいい高音で代役疑惑まで受けた。

 

「これ以上できないほど最善を尽くしました。ティーザーで歌が公開されましたが、当然私が歌ってないと思われました。ファンの皆さんも気づかなくて寂しかったです」

 

次は、パク・ウンビンのディーバ挑戦記だ。

 

 

 どうしてソ・モクハだったのか

 

パク・ウンビンは昨年『ウ・ヨンウ』で大ヒットした。第59回百想芸術大賞の大賞まで受賞した。自然に彼女の次期作に関心が集まった。

 

彼女は「昨年受けた関心は初めて感じるものでした。皆さんが注目するのが感じられた」として「負担に押さえられたくないので、より軽い気持ちで臨もうとした」と打ち明けた。

 

いつものようにヒットするより、意味の方が大事だった。「この作品をやって後悔しないか。それを先に考える。そうしてこそ、たとえ上手くいかなくても自分は納得できるから」と説明した。

 

「『ウ・ヨンウ』みたいな作品にまた会えるのでしょうか。これからもヒットすることより私の心に響く作品を選びたいと思います。成績にこだわらず、本質を失いたくありません」

 

彼女の心に響いたのは、『ソ・モクハ』だった。15年ぶりに無人島から救助された歌手志望生。純粋な夢と情熱を持った人物だ。

 

「モクハが人間パク・ウンビンの複雑さを単純に打破してくれそうでした。実際、モクハが周りの人々をポジティブな気運で癒し、共に生きる過程でたくさん慰められました」

 

 

 ディーバ挑戦記

 

ソ・モクハになるためには歌唱力が優れていなければならなかった。パク・ウンビンは「歌は好きだが、上手に歌う自信は0に近かった」として「上手ではないことを上手にしたい気持ちが苦しかった」と打ち明けた。

もちろん、声の代役を使うこともできた。しかし、モクハは声帯結節のユン・ランジュに変わって歌う役割だ。そんなモクハをまた別の声で代わるとしたら?代わりの代わりは真正性がないと判断した。

 

「モクハがランジュの声に代わって歌います。代理の代理をすることになったら、視聴者の皆さんがドラマに没入できないと思いました。女優として欲張って真心を伝えようとしました」

 

直接歌うと決めた瞬間から最善を尽くした。パク・ウンビンは「皆さんからどうやって高音を出せるようになったか気になってると言われ、直接数えてみた」として「1月から6ヶ月間、約43回のレッスンを受けた」と明かした。

 

「OSTで全9曲を発売しました。正規アルバムに準ずる曲を準備しなければなりませんでした。半年でデビューさせなければならない音楽チームの苦労が大きかったです。キム・ギュナム音楽監督が『レコーディング室であったことが真のディーバ挑戦記だった』とおっしゃっていました(笑)」

 

 

 挑戦のアイコン?

 

パク・ウンビンは努力家として有名だ。『ブラームスは好きですか?(2020)』でもバイオリニスト役を演じ、直接演奏した。指にタコができるほど練習した結果だった。

 

歌も同様だ。モクハは優れた歌の実力の持ち主だ。コンテストでランジュを破って大衆の選択を受けるほどだ。並大抵の実力ではダメだった。 

 

彼女は自ら3段高音を提案した。「歌でランジュに勝たなければならない設定があった。聴いた時に引かれるほどの実力ではないとダメだった。確実なキリングポイントが必要だった。なので3段高音を試みた」と伝えた。

 

結果は成功した。清らかな音色に気持ちいい高音で話題になった。パク・ウンビンは「私だけの基準があるので、物足りなさもある」としながら「また戻ってもこれ以上できないほど最善を尽くした」と強調した。

 

ただ、『挑戦のアイコン』という修飾語には首を横に振った。

 

「私は大衆に疲労感を与える女優にはなりたくありません。難しいことをやり遂げたと思わないでほしいです。ありがたいことに私の努力を分かっていただいてますが、分かってくださらなくても大丈夫だと思います。ただ気楽に楽しんでいただければと思います」

 

 

 パク・ウンビンは、パク・ウンビンが気になる

 

モクハは脱出口がない無人島の生活を終えるために海に飛び込む。その時アイスボックスを発見する。その中にはラーメンが入っていた。彼女はあたふたとラーメンを食べながら「あと5分だけ生きてみよう」と決心する。

 

無人島での経験が、モクハを堅くした。失敗を恐れず、明るく前向きにさせた。強く推し進め、誰よりも自分を信じるようになった。

 

パク・ウンビンとソ・モクハの似ている点でもある。

 

「私もまだ自分の限界を見ていないという期待感があります。『簡単ではないけど、私ならできるのではないか』という信頼があります。それが私を前進させます。その最小限の信頼が私を動かせます」

 

デビュー28年目。人生のほぼすべての時間を演技に捧げた。一年も欠かさず、毎年作品に挑んだ。それでもまだ、新しいパク・ウンビンの顔が見たい。

 

「人間の群像は本当に多様だと思います。お見せできなかった姿の方が多いので、それを探していきます。今年は百想で大きな賞も受賞し、悔いのない選択をしようという目標も成し遂げました。全部ファンの皆さんのお陰です。来年の1月6日のファンコンサートで恩返ししようと思います。また、新しいキャラクターに出会い、次期作で戻ってきます」

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